むし歯は「予防」が可能な病気です。できてしまったむし歯はきちんと治した上で、再発防止に力を入れています。また「痛みの少ない治療」も心がけています。
当院はこの35年間、地域のお子さん方のむし歯予防対策に力を入れてまいりました。また、地元の歯科医師の先生方やスタッフのみなさん、大竹市の行政とともに「フッ素洗口」を取り入れた市内の保育所や学校では、むし歯を半減させることに成功しています。
むし歯は悪化するまで症状が出ないやっかいな病気ですが、無症状のうちから丁寧なケアと健診を心がければ十分防げる病気です。仮にむし歯になってしまった場合でも初期段階ならば治療の時間も費用も少なく完治できますので、定期健診が何よりおすすめです。
むし歯の症状は、初期段階の「CO」から歯のほとんどが崩壊してしまう「C4」までの5段階の症状に区分されます。進行したむし歯の治療には必ず麻酔を併用し「痛みの少ない治療」に努めます。
CO(Caries Observationシーオー:初期むし歯)
虫食い・黒ずみなどはありませんが、歯が溶け出し、むし歯が始まった状態です。削ることなく、フッ素入りの歯磨き剤でのブラッシングなどで再石灰化が可能です。
C1(エナメル質う触)
歯の表面を覆うエナメル質をむし歯が溶かしていますが、象牙質までは達していないので痛みはほとんどありません。治療は、保険適用内の白い詰め物を使った完治が可能です。
C2(象牙質う触)
象牙質まで蝕まれてしまい、冷たいものや甘いものがしみることがあります。範囲が広くなければ、保険適用内の白い詰め物での治療が可能です。痛みを伴うまで進んでいるので、治療時は麻酔処置を行います。
むし歯の範囲が大きい場合はその部位の除去と形成が必要です。除去した部分には型どりした詰め物の装着を行います。
C3(神経まで達したう触)
象牙質の下の歯髄組織まで蝕まれ、激痛を伴います。歯髄がだめになり、歯ぐきが腫れたり炎症による膿が出たりする場合があります。その場合は根管治療が必要です。
根管治療はだめになった歯髄組織を除去し、根の中の空いたスペースに菌が入らないよう、念入りに洗浄・殺菌をして詰め物をします。きちんと詰め物が終わるまで、治療の中断は禁物です。
C4(残根状態)
歯が崩壊し、歯根だけが残った状態です。治療可能な歯質が残っている場合は根管治療ができますが、症状によっては抜歯が必要です。
お口の中の健康維持に、根管は非常に重要な役割を担っています。根管治療が必要になった場合は、再発防止を第一に、数年先を見据えた丁寧で最良な医療提供に努めています。
根管治療とは
重度のむし歯によって歯髄組織が炎症を起こしてしまった場合に、歯髄の除去と根管内の洗浄・殺菌を行う治療です。具体的には、むし歯部分を完全に除去した上で、根管からだめになった神経を除去し、空洞になった部分を洗浄・殺菌し、薬を詰めて被せ物を装着します。菌がわずかでも残ると再発の可能性があるので、高精度な治療技術を要します。
治療は麻酔処置後に行いますので、痛みはほとんど感じません。また、入念な検査を行った上で、治療の方法などを治療開始前に丁寧に説明します。